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【孫子の兵法】孫子から学ぶ「コミュニケーション」について考えてみる

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こんにちはネコ部長です。

みなさん「孫武」という名を、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
孫武?孫子じゃなくて...。たしか中国の古い人で、なんかの書物を書いていた人だよね.という程度の認識しかない人もいると思うので、今回は孫武とはどんな人物なのかの説明を踏まえて、孫子の兵法から「コミュニケーション」について考えていきましょう。

 

 

今回参考にさせていただいた著書がこちらです。 

孫武

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孫武とは
紀元前500年ごろの中国春秋時代の武将で軍事思想家です。軍事研究において戦略や戦術、情報戦など幅広い領域で業績を顕し、戦争の記録を分析・研究し、勝敗は運ではなく人為的によることを知り、勝利を理論化して書かれた書物が「孫子の兵法」です。

引用:ウィキペディア

「孫子の兵法」といったら 大抵の人は聞いたことがありますよね。この書物が書かれたのが今から2500年以上も前ですが、今この現代においてもまた注目されているのです。何せあのビジネス界の大物、ソフトバンクの創業者でもある孫正義や、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツが愛読しているというのですから驚きですよね。

この2人以外でも「孫子」を愛読している著名人やスポーツ選手も多くいるようです。日本でも有名な歴史上の人物も読んでいたぐらいですので、それだけこの書物は重要なのかが分かります。しかも2500年以上の時を経て受け継がれる書物を書いたというのがホントにすごいことですよね。

「孫子の兵法」

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「孫子の兵法」は孫武が書いた書物とされており、十三篇の構成からなっていて、戦略においての知恵がギュッと詰まっています。 孫子(孫子の兵法)は何について教えられているかといえば「戦わずして勝つ」ことです。

孫子の兵法

①計偏 ②作戦偏 ③謀攻偏 ④形偏 ⑤勢偏 
⑥虚実偏 ⑦軍争偏 ⑧九変偏 ⑨行軍偏 ⑩地形偏 
⑪九地偏 ⑫用間偏 ⑬火攻偏

たったコレだけ?と思われるかもしれませんが、 この十三篇に戦略の知恵のすべてが詰まっています。しかも「戦わずして勝つ」ことがテーマです。

 

www.nekobuchou.com

 「孫子」については以前こちらの記事でも少し触れていますが、今回はもう少し詳しく内容を伝えたいと思います。それでは一部を抜粋しながら、ザックリとですが説明していきましょう。そしてここからは、みなさんの周りにいる人達の性格や関わり具合、又は学校や職場を想像し、誰かや何かに当てはめながら読み進めてください。

 

 ①計偏

孫子曰く、兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず

 

「孫子」の全編はこの一節から始まる重要な箇所です。ここで伝えたいことは「細心の検討が必要である」ということです。

戦争は国家の重大事であって、国民の生死、国家の存亡がかかっています。だからこそ細心の検討が必要だということなのですね。

②作戦偏

兵は拙速を聞くも、いまだ功の久しきを睹ざるなり

 

どういうことかといえば、短期決戦に出て成功した例は聞いても、長期戦に持ち込んで成功した例は聞かないということです。

長期戦になるということは、それだけ相手の力が同じくらいか、もしくはそれより少し上だということなので、長期戦でボロボロになっているところを第三者に利益をさらわれるかもしれないので、勝てる戦いをしてサッサと終わらせろということです。

つまり「短期で勝てる相手とだけ戦え」といっているのです。

③謀攻偏

彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず

 

この言葉は孫子の中でも特に有名な名言ですよね。企業経営者が座右の銘としてよく使われている名言ですが、敵を知り自分をしっているのならば敗れることはないという意味になります。

しかし、ここで注意しないといけないのが「敵」なのです。敵は目の前にいる「敵」だけではなく、目先の敵を含む周辺のライバルすべてを指しています。

 

④形偏

勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む

 

自分の生死や国の存亡がかかっている戦争では、周到な準備をするのが当たりまえですよね。なのに、なぜ戦い始めてから勝機をつかもうとして慌てるのかが理解できないということです。

勝利を収めるのは、あらかじめ勝利を手にする体制を整えて戦うことができる者が手にすることができるということなのです。

⑤勢偏

激水のはやくして石を漂わすに至るは、勢なり

 

ここで伝えたいのが「士気」や「感情」のことです。それを水の流れに例えていて、せきとめられていた水を一気に流すと、岩をも動かす勢いになります。

つまり勢いを持てば、感情や精神の力が一人一人にみなぎっていき、岩をも押し流すように敵を撃破できるということです。よく「勢いづく」って言いますよね。それがまるで「激流のごとく」といったところでしょうか。

⑥虚実偏 

兵の形は実を避けて虚を撃つ

 

充実した敵を避けて相手の手薄をついていくという意味ですが、「実」というのは、やる気に満ちた大勢の兵で、「虚」とは逆にやる気のない少数の兵のことをいっています。つまり何が言いたいかというと、素早く進軍し分散した弱いものを先にやっつけるということになります。

一見すれば、卑怯のように思えるかもしれませんが、敵の戦力をそいでいくには最も効率の良い戦法だといえるでしょう。だって、自分の命と国の存亡がかかってますからね。

⑦軍争偏

朝の気は鋭、昼の気は惰、暮の気は帰

 

人の気力は、朝は旺盛ですが昼になるとダレてきて、夕方には休息を求めるものだといった意味になりますが、まるでサラリーマンみたいですね。

誰でも朝は元気ですが、お昼ご飯を食べると少し眠くなってきて、夜になると早く帰って休みたくなりますよね。これは「勢い」も同じことで、最初は勢いがあっても時間が経つにつれ衰えていくということです。

つまり、勢いとは長続きしにくく、無理に長続きさせようとすると、人や組織を壊しかねないということになるのですね。

⑧九変偏

智者の慮は必ず利害に雑う。理に雑えて、而して務め信ぶべきなり。害に雑えて、而して患い解くべきなり。

 

賢い人は、必ず利益と損失の両面から物事を考える。利益を考えるときには、損失の面も考慮に入れる。そうすれば物事は順調に発展する。損失をこうむりそうときには、それによって受ける利益の面も考慮に入れる。そうすれば、無用な心配をしないで済む。

ちょっと解釈が長くなりましたが、要はバランスよく物事を捉えられるかということなのです。

 

⑨行軍偏

兵は多きを益とするにあらざるなり

 

兵士の数が多ければ、それでよいというものではない、という意味になりますが、ただ多ければいいということではなく、きっちりと管理されてなければただの烏合の衆ということになるのです。

お金もそうですよね。ただたくさん持っているだけでは宝の持ち腐れであって、それをどう使っていくのかがポイントになるのです。将来のために投資に回すとか、目的があっての貯蓄なのかと、お金の管理の仕方も同じことです。

⑩地形偏

数賞するは、窘しむなり。数罰するは、困しむなり。先に暴にして後にその衆を畏るるは、不精の至りなり。

 

パッと見た目では何が書かれているかわかりませんね。(;^_^A

内容としたら、将軍がやたら褒美を乱発するのは、行き詰まっている証拠である。逆に罰ばかりであっても同じこと。部下を怒鳴り散らしておいて、離反を気遣うのは自らの不明をさらけだしているという解釈になります。

このような光景は仕事の中でもよく見られることではありませんか?なにかに焦っていると、どうやらボロは出てくるということですね。

⑪九地偏

先ずその愛する所を奪わば、則ち聴かん

 

敵の最も重視しているところを奪取すること。そうすれば、思いのままに敵を振り回すことができるという意味になりますが、つまり「アメと鞭」の使い方です。

アメと鞭をうまく使うことで相手を意のままに動かし、主導権を握るためのコントロール要因として使うことができるということですね。

⑫用間偏

三軍の事、間より親しきはなく、賞は間より厚きはなく、事は間より密なるはなし

 

ここで出てくる「間」とは間者、つまりスパイのことなのです。
スパイには全軍の中でいちばん信頼のおける者を選び、最高の褒美を与えなければならない。でも、その活動は極秘ですよという意味になります。

スパイといえば角が立ちそうですが、言い換えれば協力者といった方がしっくりくるかもしれませんね。

 

⑬火攻偏

亡国は以ってまた存すべからず。死者は以ってまた生くべからず

 

こちらは「孫子」の結論部分に書かれている言葉ですが、国は亡んでしまえばそれでお終いであり、人は死んでしまえば二度と生き返らないといった意味になります。

じつにあたり前であって重要なことではないでしょうか。

会社でいえば、倒産すればそれでお終いで、辞めてしまったら二度と戻れないといえるでしょう。

人間攻略の書

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ここまで十三篇について説明してきましたが、何か気づいたことはありませんか?

そうなんです。「孫子の兵法」とは、人間攻略の書なんですよね!

戦争している相手は誰ですか?

会社は誰を相手に仕事をしていますか?

全てにおいて必ず「相手」がいるのです。その相手(人間)を攻略するにあたって、どのように考え行動していかなければいけないのかが記されているのですね。

まとめ

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いかがでしょうか。

テーマは「戦わずして勝つ」ことでしたよね。

周りの人間関係をどうやって良いものにしていくのか、部下や上司とどううまくやっていくのかが「孫子」から学び取れると思います。

つまり「孫子」とは、最強のコミュニケーション能力を高める教科書といえるのではないでしょうか。今の世の中、ゴリ押しはただのパワハラになってしまいますよね。

ハラスメントと言われることが沢山あるこの世の中で、勝者と敗者がいるのであれば、勝者とは何を指しているのでしょうか。敗者とはどのような人のことを言っているのでしょうか。その意味が「孫子」から学ぶことができると考えます。

みなさんも「孫子」から、コミュニケーションについてちょっと考えてみませんか?
いま人間関係で悩んでいるのであれば、もしかしたら解決できるかもしれませんよ。
もちろん書かれていることの解釈次第ですがね。

ご覧いただきありがとうございました。